英国式フラワーアレンジメントのお店 フローリストローズグローブ FLORIST ROSE GROVE

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好きな音楽について

ビリーホリデイが好きです。


出会いは学生の頃の行きつけの喫茶店で流れていた曲の中にありました。「憩務所(ケイムショ)」というサブタイトルの付いているお店の名前は「夏炉(カロ)」といって、お店についての詳細はた書きますがそこの夫婦が好きなジャズを流してくれるなかによくビリーホリデイがありました。おばさんは「一番好きなのはエセル・ウォーターなんだけどね」と言ってましたけど、私にとってはビリーの歌声が断然心に入ってきました。


ビリーホリデイ(1945年4月7日~1959年7月17日)については本人の自叙伝やいくつかの本から知ることができるのですが、恵まれない生い立ちや、薬物とアルコールに依存し続けて破滅型の人生、人種差別や性差別と戦い続けた姿勢、そして今でも愛され続ける彼女の歌声等。決して明るく順調な人生とは言えません。薬とアルコールの多用からどんどんと枯れていく声が同情や嘲笑を受ける中、でも彼女の夢はいつか自分の店を持って好きなときに好きなだけ歌えるそんな生活でした。


晩年のアルバム「レディインサテン」はその枯れ切った歌声から評価も分かれるところなのですが、私は一番好きなアルバムです。亡くなる直前の歌声を最近手に入れたのですが、その歌声には彼女の生きてきた全てのもの、満たされない愛、数々の裏切り、社会的な批判、または彼女だけが知っている悲しみ、そのようなものが全てその歌声のかすれた部分に溶け込んでいるようでした。


私のお店で流れているのはいつもビリーホリデイです。44歳の若さで姿を消してしまった彼女の奥の深い歌声に癒されながら色々なことを思いお花にふれる毎日です。

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